2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20510199
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹田 一旗 Kyoto University, 理学研究科, 講師 (30332290)
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Keywords | タンパク質 / 結晶 / スペクトル |
Research Abstract |
本研究においては、結晶中の生体高分子(タンパク質)の反応状態を時間分解顕微分光法により測定してX線結晶構造解析結果と組み合わせることで、従来のX線結晶構造解析だけでは観測困難な機能発現に関連する動きを解明して生体高分子の構造と機能の相関を考察することを目的とする。従来のタンパク質構造解析はタンパク3000プロジェクトに代表されるように形の記述のみに大きな労力を注いできた。多くの新規構造の発見などタンパク質の機能解析への影響には大きなものがあったが、静的な構造情報の限界も認識された。本研究では、X線結晶構造解析と反応に沿った状態変化を解明できる時間分解顕微分光を組み合わせて、結晶中での分子運動を解明する。したがって、従来のタンパク質結晶構造解析が与える静的な構造情報とタンパク質本来の動的な特性の間の溝を埋めることが可能となり、タンパク質をはじめとする生体高分子の構造機能相関の研究に大きく寄与する。 本年度は、光学密度の高い結晶試料を分光測定するために必要不可欠な顕微分光装置を製作した。装置の仕様は以下のとおりである。既存の光学顕微鏡と今回購入したダブルモノクロ型可視分光装置白色光(日本分光・V660)を自作アダプターにより石英製光ファイバー(直径1.0mm)で連結して、分光した後の単色光を結晶に照射し、照射後の光を再び別の光ファイバーにより分光装置に戻し検出できるようにした。白色光ではなく単色化された光を使用することで、測定光によるタンパク質の損傷や構造変化などの意図しない影響を大幅に回避できるようになった。また、顕微鏡の空間分解能と操作性、分光装置の波長分解能を両立させることが可能となった。
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Research Products
(1 results)