2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規生物活性物質の創成を指向した環境低負荷型合成法の開発
Project/Area Number |
20510203
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
西山 繁 Keio University, 理工学部, 教授 (20137988)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧 昌次郎 電気通信大学, 電気通信学部, 助教 (20266349)
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Keywords | 有機電気化学 / キノリノン / 超原子価ヨウ素 / テトラヒドロピロロイミノキノン / カルバゾール / メチルタリブリン / イソキノリンアルカロイド / アリール化ジェノン |
Research Abstract |
一連の有機電気化学を活用する生物活性物質の合成研究において、電気化学的に発生させた超原子価ヨウ素試薬による含窒素化合物の酸化反応を開発してきた。すなわち、電気化学的に発生させた酸化剤を用いてキノリン化合物を構築した後、ピロール環の付加および適切な官能基化により、最初の全合成を含む海洋生物由来のテトラヒドロピロロイミノキノン類の一連の合成を達成した。さらに、関連したフェニルアニリン誘導体の酸化反応による炭素-窒素結合の形成によるカルバゾール化合物の合成に成功した。特に、本反応はキノリン構築反応に比較してより長い反応時間を必要とするため、溶媒として使用するトリフルオロエタノールの乾燥状態の保持を工夫した。この実績により、新たな生物活性物質合成へのアプローチを可能とすることが出来た。 抗マラリアおよび抗腫瘍活性を有する植物由来のビスベンジルイソキノリンアルカロイド、メチルタリブリンの合成に成功した。すなわち、ジハロ-p-ヒドロキシフェニル酢酸エステルを陽極酸化に付して生成するジアリールエーテル誘導体にチラミン誘導体を接続し、これを環化させることによりイソキノリン部分を構築して標的化合物への誘導を達成した。特に、本合成においてジアリールエーテル構築のために従来行っていたアリール化ジェノン化合物の過剰量の亜鉛末による還元反応について検討を行った。すなわち、電極反応により発生させた亜鉛をin situで活用して、より環境低負荷型かつ高効率の反応を確立することが出来た。
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Research Products
(8 results)