2008 Fiscal Year Annual Research Report
立体構造と生物活性の解明を目指した海洋産環状ペプチドの化学合成
Project/Area Number |
20510204
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
末永 聖武 Keio University, 理工学部, 准教授 (60273215)
|
Keywords | パラオアミド / 環状デプシペプチド / 立体構造 / ディスコキオライドB / hexamollamide / オーリライド / 構造活性相関 |
Research Abstract |
シアノバクテリア由来のパラオアミドについては、可能な4種類のうち3種類のジアステレオマーを合成した。ペプチドは常法に従い構成アミノ酸を順次縮合し、脂肪酸部はクロチルボレーション反応、エバンスアルドール反応、向山アルドール反応を鍵反応として用いて合成した。ペプチド部と脂肪酸部を縮合した後、閉環反応を行った。しかしながら、合成した3種のジアステレオマーのNMRデータは天然品のものと一致せず、立体構造の決定には至らなかった。今後は、残る一つのジアステレオマーの合成を行う。最近、類似の環状デプシペプチドにおいて、分子内エステル交換反応により、容易に環の巻き直しが起こることが報告された。パラウアミドについても、分子内エステル交換反応の可能性を考慮する必要がある。 ディスコキオライドBについては、酸加水分解を行って、得られた構成アミノ酸に関してキラルHPLC分析を行ったところ、2種の構成アミノ酸の立体化学を決定することが出来た。しかしながら、酸加水分解中に一部の構成アミノ酸がラセミ化(エピ化)していることが分かった。そこで、メタノリシスや部分加水分解により大環状構造を開いた後に、酸加水分解を行おうと考え、現在種々条件検討をおこなっている。 また、上記に関連する環状ペプチドhexamollamideをチャツボホヤより単離し、X線結晶構造解析と構成アミノ酸のキラルHPLC分析により、立体構造を明らかにした。オーリライドの構造活性相関を明らかにし、標的分子探索のためのプローブ分子の設計に関して知見を得た。
|
Research Products
(4 results)