2008 Fiscal Year Annual Research Report
亜鉛フィンガータンパク質をフレームワークとする人工ペプチダーゼの開発
Project/Area Number |
20510206
|
Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
根木 滋 Doshisha Women's College of Liberal Arts, 薬学部, 助教 (50378866)
|
Keywords | 亜鉛フィンガー / 金属フィンガー / ペプチドデザイン / 人工制限酵素 / 人工ペプチダーゼ / Spl亜鉛フィンガー / GAGAファクター / 転写因子 |
Research Abstract |
これまでに、転写因子に存在するDNA結合ドメインである亜鉛フィンガータンパク質をフレームワークとして用いて、それらを人工的にリデザインすることにより新しい機能を有する人工機能性タンパク質の創製を試みている。本研究では、特に亜鉛イオン配位部位をターゲットとし、その部分をリデザインすることにより触媒機能(特にペプチド結合切断活性)を導入することを目的とする。申請者はSpl亜鉛フィンガーのフィンガー2の亜鉛イオン配位部位であるCys2His2型をHis4型に変えた変異体が高いエステルおよびリン酸エステル切断能を有していることをこれまでに見出している。そこで本年度はフィンガー2以外のフィンガー1および3についても同様にHis4型変異体を作製し、それらのリン酸エステル加水分解能およびDNA切断能に関する検討を行った。その結果、フィンガー1のHis4型を用いた場合、リン酸エステル化合物であるBNPPに対して他のフィンガードメインと比べて非常に高い加水分解活性があることが明らかとなった。また、フィンガー3に関してはHis4型では亜鉛イオンを加えても構造が誘起されないことが分かった。恐らく、亜鉛イオンに配位する2つのシステイン残基の間のアミノ酸数がHis4型変異体の構造形成に重要であることが考えられ、今後検討する予定である。また、Spl野生型亜鉛フィンガーのC末端側にフィンガー2のHis4型を融合させて人工キメラタンパク質を作製し、DNA結合能およびDNAの加水分解について検討を行った。その結果、GC配列と選択的に結合することが分かり、さらにGC配列の近傍を選択的に切断することが明らかとなった。
|