2010 Fiscal Year Annual Research Report
亜鉛フィンガータンパク質をフレームワークとする人工ペプチダーゼの開発
Project/Area Number |
20510206
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
根木 滋 同志社女子大学, 薬学部, 助教 (50378866)
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Keywords | 亜鉛フィンガー / 金属フィンガー / ペプチドデザイン / 人工制限酵素 / 人工ペプチダーゼ / Sp1亜鉛フィンガー / GAGAファクター / 転写因子 |
Research Abstract |
亜鉛フィンガータンパク質は、転写因子に認められるDNA結合ドメインであり、Zn(II)およびDNAへの選択的結合能を有していることが知られている。したがって、亜鉛フィンガータンパク質は人工タンパク質のフレームワークとして用いて有用であると考えられる。本研究では、亜鉛フィンガーの金属イオン配位部位をリデザインすることにより触媒機能をそれ自体に導入することを目的とする。申請者はSp1亜鉛フィンガーの各フィンガードメインに対して、亜鉛イオン配位部位をHis4型に変えた変異体(FxH4、x=1,2,3)を作製し、それらのリン酸エステル加水分解能を有していることを見出した。さらに、FIH4を用いた場合、リン酸エステル化合物であるBNPPに対して他のフィンガードメインと比べて非常に高い加水分能を示すことが分かった。そこで、今年度はFIH4のDNA切断能について検討を行うために、FxH4のNおよびC末端にSp1野生型を融合させた7個のフィンガーからなるSp1FxH4Sp1(x=1,2)の作製に取り組んだ。その結果、遺伝子工学的手法を用いることにより目的のタンパク質をコードするプラスミドDNAの作製に成功した。また、大腸菌を用いたタンパク質発現実験においてもタンパク質の発現を確認した。今後は、DNAの結合能および切断活性について検討を行う予定である。また、Sp1野生型亜鉛フィンガーのC末端側にフィンガー2のHis4型を融合させて融合タンパク質を作製し、そのペプチド結合切断について検討を行った。その結果、His4フィンガー近傍のペプチド配列が選択的に切断されることが明らかとなり、His4がペプチダーゼ活性を有していることが分かった。
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