2008 Fiscal Year Annual Research Report
プロペプチドの分子内シャペロン機能の解明と新規生理活性ペプチドの創作
Project/Area Number |
20510207
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
日高 雄二 Kinki University, 理工学部, 准教授 (70212165)
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Keywords | フォールディング / 生理活性ペプチド / プロペプチド / 前駆体 |
Research Abstract |
ペプチドホルモンのプロセッシングにおける前駆体蛋白質の立体構造形成の解明、およびプロ領域の分子内シャペロン機能を有効利用することを目的として、本年は、以下の点に焦点を絞り、研究を行った。 1) プロウログアニリンの立体構造解析:前年度までに得られた結晶化条件を精密化し、結晶構造解析に適した結晶を得ることができた。その結晶について、Spring8の高輝度放射光により得た情報を元に、引き続き、構造解析の計算を行っている。野生型については、数回、回折収集を終了し、位相決定のため、重原子置換法を試みたが、位相決定には至らなかった。現在、分子置換法の適用を検討している。 2) プロペプチドの分子内シャペロン機能を利用した新規生理活性ペプチドの創作:既に得られている2種類の新規生理活性ペプチドを組込んだ前駆体蛋白質を大腸菌から大量発現させ、結晶化を行ったが、良好な結晶は得られなかった。そこで、結晶促進剤の利用等、更なる検討が必要である。また、新たな生理活性ペプチドをデザインし、現在、その立体構造形成を検討している。 3) 他の前駆体蛋白質:前駆体蛋白質として、プロオピオメラノコルチンの発現系の構築、及び精製を行い、更に結晶化に成功した。既に、Spring8での回折実験を行い、現在、構造計算のための位相決定を行っている。本前駆体蛋白質は、ACTHやエンドルフィンなど様々なペプチドホルモンの前駆体であることから、医薬等、その構造決定の意義は大きい。
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