2011 Fiscal Year Annual Research Report
プロペプチドの分子内シャペロン機能の解明と新規生理活性ペプチドの創作
Project/Area Number |
20510207
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
日高 雄二 近畿大学, 理工学部, 教授 (70212165)
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Keywords | フォールディング / 生理活性ペプチド / プロペプチド / 前駆体 / ウログアニリン / グアニル酸シクラーゼ / 構造生物学 |
Research Abstract |
本研究は、ペプチドホルモンのプロセッシングにおける前駆体蛋白質の立体構造形成の意義を明らかにすること、およびプロ領域の分子内シャペロン機能を有効利用することを目的として行われた。 山口(関西学院大学・理工学部)は連携研究者である。 1)プロウログアニリンの立体構造解析(日高、山口) 昨年度決定したプロウログアニリンの立体構造を基に、プロ領域の分子内シャペロン機能発現に関与するプロ領域のアミノ酸残基を検索した。また、平行して、成熟体領域中、プロ領域との相互作用部位に着目し、その部位におけるプロ領域との相互作用の重要性について検討した。その結果、ウログアニリンの生理活性成熟化と前分子構造の熱力学的安定性に強い相関があることが解ってきた。また、逆に、分子進化を抑制する部位あるいは機構に関する情報を得ることができた。現在、この分子進化抑制機構がプロ領域の分子内シャペロン機能と密接な関係があると推測している。 2)プロ領域の分子内シャペロン機能を利用した新規生理活性ペプチドの構築と検索(日高) プロウログアニリンの結晶構造解析に基づき、プロ領域と成熟体領域との相互作用様式を網羅的に解析した。その情報と併せ、これまでに得られた新規生理活性ペプチドあるいは人工ペプチドの立体構造形成がどのようにして制御されているのかを解析した。その結果、プロ領域の分子内シャペロン機能に連動していくつかの成熟体領域の水素結合が人工ペプチドの立体構造形成に関して重要な役割を果たしていることが分かった。現在、この局部構造の安定化及び不安定化が分子内シャペロン機能に及ぼす影響について、変異体を作成し、検討している。
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