2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20510208
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
野田 直規 Setsunan University, 薬学部, 教授 (40180749)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中谷 尊史 摂南大学, 薬学部, 講師 (10340861)
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Keywords | ミツバチ / カスト制 / 制御物質 / ローヤルゼリー / ヒドロキシ脂肪酸 / semiochemicals |
Research Abstract |
本研究は、天然物化学の立場よりミツバチカスト制を維持する制御物質(semiochemicals)そのものあるいはそれらの前駆体の発見を中心課題とする。 1.前年(20)年度 専らローヤルゼリーよりカスト制の制御物質の前駆体と想定されるヒドロキシ脂肪酸の単離に注力した。現在までに5種の有機酸の二量体と2種の配糖酸とともに8種のジヒドロキシ脂肪酸の単離に成功し、これら絶対配置を含む全構造を決定した。その結果、興味あることに、ジヒドロキシ脂肪酸の3位水酸基を除く他の二級水酸基はいずれもoptical isomerの混合物として存在している事実をつきとめた。 Johnstonらの仮説、すなわち女王物質(9-ケト体)の代謝産物である9-ヒドロキシ体がoptical isomerの混合物としてローヤルゼリー中に存在していることを考慮すると、これらの脂肪酸のいずれかは、女王バチによってケト体に変換され、カスト制を維持する未知の制御物質の前駆体である可能性が大いに期待される。しかしながら、これら化合物を用いてミツバチの形態を観察するには量的に足りないため、目下ローヤルゼリーの主成分であるデセン酸より合成中である。 2.今年(21)年度 ミツバチに対する生物活性試験のために充分な量のケト体を合成するとともに、量的確保出来次第、ミツバチの形態観察をはじめとする活性評価を実施する。
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