2010 Fiscal Year Annual Research Report
内因性血管新生阻害物質活性化を標的とした天然由来新規抗がんリード化合物の創製
Project/Area Number |
20510209
|
Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
青木 俊二 兵庫医療大学, 薬学部, 教授 (60252699)
|
Keywords | 内因性血管新生阻害因子 / プロモーター活性化 / thrombospondin-1 / ヒト齊帯静脈血管内皮細胞 / 腫瘍血管新生 |
Research Abstract |
本研究では,endostatinやangiostatin, thrombospondinといった内因性血管新生阻害因子に着目し,天然由来の「内因性血管新生阻害因子プロモーター活性化物質」の探索を試みた。すなわち、ホスト細胞に内因性血管新生阻害因子であるthrombospondin-1遺伝子のpromoter領域を融合したluciferaseレポータープラスミドを導入・安定発現させた遺伝子改変細胞の樹立を試みた。ベクターの種類やプロモーター領域の大きさなどを種々検討しトランスフェクションを行った結果、一過性にレポータージーンの発現は確認できたが、安定発現株の樹立には至らなかった。また、ヒト齊帯静脈血管内皮細胞(HUVEC)とヒト咽頭上皮がん細胞(KB)やヒト慢性骨髄性白血病細胞(K562)など数種の由来の異なるがん細胞を用いて増殖抑制試験を行いHUVECに対して選択的に増殖抑制効果を示す化合物の探索法を用いてスクリーニングを行った。その結果、生薬の抽出エキスライブラリーからオンジやセネガといった植物のエキスに活性を見いだし、試験の結果を指標に分画精製してサポニーン成分に活性を見いだした。一方、ヒトの前立腺がんおよび膵臓がんに高発現が見られ、増悪因子でもあるDNA脱メチル化酵素PCA-1の脱メチル化活性を阻害する化合物のスクリーニングを行った結果、アスナロやゴシュユといった生薬の抽出エキスに活性を見いだした。活性の見られたエキスは試験の結果を指標に各種クロマトグラフィーにより分画を行ない、最終的にはHPLCを用いて精製することで活性物質としてフラボノイド二量体やインドール型アルカロイド・エボカルピンの単離に成功した。
|
Research Products
(1 results)