2010 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖バイオマーカー探索を目的とした新規シアロ糖ペプチドエンリッチメント法の開発
Project/Area Number |
20510212
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
亀山 昭彦 独立行政法人産業技術総合研究所, 糖鎖医工学研究センター, 研究チーム長 (80415661)
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Keywords | 糖ペプチド / グライコミクス / シアル酸 / 固相反応 / バイオマーカー |
Research Abstract |
糖鎖はバイオマーカー探索のターゲットとして期待されている。本研究ではシアル酸を有する糖タンパク質にフォーカスしたマーカー探索のアプローチとして、糖タンパク質の糖鎖の非還元末端に存在するシアル酸を介した新規なシアロ糖タンパク質の濃縮・分離法(Glycan Tail Immobilization (GTI)法)を考案し、その開発と応用を進めている。これまでの研究からシアル酸のカルボキシル基と固相担体のヒドラジド基を結合させる当初の案は、エンリッチメントに利用できるほど高収率ではないことが判明した。そこで、平成22年度は、アルデヒドとオキシアミンの反応によるオキシム形成を軸にした固相担体とのカップリング方法の開発を進めた。シアル酸のカルボキシル基に化学修飾によりオキシアミンを導入し、それをアルデヒドを有する固相担体に結合させるという方針で検討した。そのためのリンカーとして、オキシアミンがフタロイル基で保護された4-アミノブチルオキシアミンを設計し、合成した。N-Boc-4-aminobutanolを出発物質として、Nヒドロキシフタルイミドをミツノブ反応により縮合させ、その後、Boc基をトリフルオロ酢酸で除去した。今後、得られたブチルアミン誘導体をシアル酸のカルボン酸にアミド結合によりカップリングさせ、最後にヒドラジン一水和物でフタロイル基を脱保護することにより、シアル酸にオキシアミンを導入できると考えている。一方で、このリンカーをシアル酸を有する糖ペプチドに応用して、シアロ糖ペプチドを固相担体にエンリッチする研究を進めた。まず、モデルとしてのシアロ糖タンパク質としてウシフェツインをトリプシン消化し、セファロースにて糖ペプチドを濃縮した。ペプチドのアミノ酸残基のカルボン酸をアセトヒドラジドで修飾した。
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