2010 Fiscal Year Annual Research Report
看護師のジェンダー意識と患者の性に関わる倫理的問題との関連性の研究
Project/Area Number |
20510250
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
兼宗 美幸 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (50214490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筑後 幸恵 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (60310512)
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Keywords | 看護師 / ジェンダー意識 / 患者の性 / 倫理的問題 / セクシュアリティ |
Research Abstract |
本研究は、患者の尊厳を尊重した看護援助を実践するための方策について、特に患者の性に焦点をあてて、ジェンダーやセクシュアリティ・倫理的問題・看護師のキャリアの視点から明らかにし、看護師の支援プログラムを作成することを目的としている。 最終の3年目にあたる今年度は、過去2年間の研究成果を踏まえ、患者の尊厳を尊重した看護援助を実践する方策について検討し、看護師の性に対する認識と患者の性に対する倫理的問題への認識を高める学習プログラムの作成を目指した。 認識を高めるにはまず自分の性意識に気づくことが重要である。その上で患者の性的言動に対し倫理的な側面で語り合うことが有効と考えた。具体的には、まずは事例をもとに意見や感情を語り合う段階で、過去の経験や自身の養育環境などの語りや傾聴を通して、患者の性を客観的に理解する上で重要な自分自身の性の認識を深めた。次に事例に関して倫理的問題をディスカッションする段階で、アドバイザーによる情報提供や助言を通して患者の背景や患者の視点に立った状況の理解を深めた。特に、世代の違うメンバー、アドバイザーの参加が認識を深めることに効果的であると考えられた。このような看護師の支援プログラムでは事例を身近に捉えることも重要であり、プログラムの運営や情報提供だけでなく、事例や提供する理論的情報の精査が今後は課題となる。また、性別によって性に関する認識の相違がみられる傾向にあるものの、患者の性的言動に対する看護援助は同様の傾向にあるが、認識を深めるディスカッションに関してどのような影響があるかの検討は十分ではないことも今後の課題と考えられた。
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Research Products
(3 results)