2009 Fiscal Year Annual Research Report
復興期における女性の政治参加:紛争とジェンダー秩序の転換-ネパールを事例に-
Project/Area Number |
20510252
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Research Institution | Asai Gakuen University |
Principal Investigator |
相内 眞子 Asai Gakuen University, 人間福祉学部, 教授 (60281771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
幅崎 麻紀子 山形大学, 男女共同参画推進室, 助教 (00401430)
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Keywords | 政治参画 / 人権運動 / 紛争復興 / ヒラリー・ロダム・クリントン / リーダーシップ |
Research Abstract |
本研究は、ネパールを事例に、紛争を既存のジェンダー構造を転換し、女性の政治参画を生み出す転換点として捉え、これまで政治と遠い世界に生きてきた女性たちを政治運動に駆り立てた要因を探るものである。 本年度は、紛争後の政憲議会議員として参加する女性に密着し、政治活動を展開するに至った経緯、政治活動を可能にした資源、政治活動による生活の変化、そして、女性たちにとっての紛争と政治活動の結びつき等について聞き取り調査を行った。その結果、政憲議会で活動する女性たちは、多くの議員が農村部の出身であり民族・カーストも多岐に渡ること、紛争中は人民解放軍の一員(マオイストの場合)として、マオイストから攻撃される政治活動家(国民会議派の議員の場合)として関わっていたことがわかった。貧しい農村部にあっても苦労して教育を受けることが可能な家庭に育ったこと、小さな頃から民族格差・カースト格差・経済格差のある社会に疑問を感じていたこと、若手の政治的活動の集まりやNGO活動に参加していたこと、そして、政党の地方支部で実績を積みながら中央で政治活動をするに至ったこと等が特徴として浮かび上がってきた。更に、現在、政治活動をする中でも、ジェンダー差を感じていること、それを改善するために、党の壁を越えた女性政治家のグループを構築していることがわかった。 H22年度は、これまでに収集したデータを用いながら、NGOとして政治に参画する女性たち、政治家として活動する女性たちの両者を比較しながら、アメリカをはじめ国際社会による支援等の対外的な要因を踏まえながら、女性にとっての政治参加の視点から、紛争によるジェンダー構造の転換について分析する。
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[Journal Article]2010
Author(s)
河東田博(編集代表), 相内眞子(共同執筆)
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Journal Title
福祉文化とは何か(新・福祉文化シリーズ1)(明石書店)
Pages: 96-105
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