単身女性世帯をめぐる社会制度および社会政策に関するジェンダー視点からの調査研究

2010 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 20510254
• Research Institution: Josai International University
• Principal Investigator: 高井 葉子 城西国際大学, 語学教育センター, 助教 (30316864)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 国広 陽子 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (10308017) ; 堀 千鶴子 城西国際大学, 福祉総合学部, 准教授 (40316865) ; 遠藤 恵子 城西国際大学, ジェンダー女性学研究所, 助教 (40327250)
• Keywords: 社会学 / 社会福祉関係 / ジェンダー / 女性 / 社会政策

Research Abstract

本研究では、平成20年度から3年間の予定で、未婚のまま向老期(50代前半～60代前半)、高齢期(60代後半以降)を迎えている女性のライフストーリーの聞き取りを行ってきた。当初の計画では、実査を平成21年度内に終了する予定であったが、研究協力者の病気等のため3名の調査を翌年度(平成22年度)に繰り越した。平成22年度は、これら3名に加え新たに3名の協力者を得て計6名の聞き取り調査を実施した。これら6名は、すべて地方出身者である。学校教育終了後に就職のため上京し定年退職をした60歳以上の女性が2名、残り4名は現在向老期にあり老後の生活を考え始めている年代であった。調査からは、それまでの調査の分析過程で、新しい検討課題として現れていた東京在住の地方出身者が抱える退職後の生活設計の問題、特に退職後の住居、収入、健康における大きな問題が語られた。また、高度成長期に右肩上がりの発展を見ながらバブル経済の破綻に大きく影響を受けた産業で働いてきた女性の職業経験は、経済や社会の変化が個人の生活を直撃する際に「単身である」こと「女性であること」が大きなリスクとして現れることを示唆するものであった。これら6件の調査の終了により、本研究は合計17名の女性の協力を得てすべての実査を終了したが、研究代表者の病気治療のため、当初年度内に予定していた分析や報告書の作成に遅延が生じた。このため、これらの作業は平成23年度に繰り越しをした。平成23年度は、過去3年間の調査の分析結果とケース記録を今後の研究資料とすべく保存可能なデータベース(冊子2冊)にまとめる作業を行った。