2009 Fiscal Year Annual Research Report
黄砂付着汚染物質検知に向けたリモートエリプソメトリー技術の開発
Project/Area Number |
20519004
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Research Institution | Institute for Laser Technology |
Principal Investigator |
染川 智弘 Institute for Laser Technology, レーザー加工計測研究チーム, 研究員 (00508442)
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Keywords | ライダー / フェムト秒レーザー / チャネルド分光偏光計測 / コヒーレント白色光 / 黄砂 |
Research Abstract |
高強度フェムト秒レーザーをKrガスに集光して得られる超広帯域コヒーレント白色光をエリプソメトリー手法であるチャネルド分光偏光計測法に応用する基礎研究を行っている。これまでの研究でKrガスを用いて生成させたコヒーレント白色光に最適な高次移相子を選定し、実際にポラライザー等の偏光ストークスパラメータの復調に成功した。また、大気観測の初期観測も行い、ライダー観測に必要な項目を検討した。 コヒーレント白色光を用いたチャネルド分光偏光計測法によるストークスパラメータの復調精度の評価を行った。これまで復調に成功したポラライザー等の波長変化の少ない偏光特性ではなく、使用する可視域波長でゆるやかな偏光特性変化を与える薄い水晶の結晶の透過光を用いた。薄い水晶の結晶による偏光変化は水晶の複屈折、厚み等によって計算できる理論曲線とほぼ一致し、光源としてコヒーレント白色光を用いると、6桁程度の強度減衰においても10%程度の誤差で偏光特性が得られることがわかった。ハロゲンランプ等を用いる従来手法では、散乱光や吸収の大きな試料への応用が不可能であったが、コヒーレント白色光を用いることで応用の幅が広がると考えられる。 ライダー観測においては、散乱信号強度の比較的大きな雲を用いて手法の検討を行った。時間信号の同時検出に光電子増倍管を用いることで、信号強度の大きな800nm付近のチャネルドスペクトルの取得を行うことができたが、可視域成分ではスペクトルの取得には至らなかった。測定系の最適化をさらに進めることで雲、エアロゾル・黄砂の観測を行っていきたい。
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