2008 Fiscal Year Annual Research Report
カント哲学のコンテクストとしてのバウムガルテン「欲求能力」論の検討
Project/Area Number |
20520006
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
檜垣 良成 University of Tsukuba, 大学院・人文社会科学研究科, 准教授 (10289283)
|
Keywords | 哲学 / 思想史 / カント / バウムガルテン / 欲求能力 |
Research Abstract |
1.アレクサンダー・ゴットリープ・バウムガルテン(Alexander Gottlieb Baumgarten)の『形而上学』(Metaphysica, 1739 Halle. 2. Auflage, 1743. 3. Auflage,1750. 4. Auflage,1757(In:Kant'sgesammelte Schriften, herausgegeben von der Koniglich PreuBischen Akademie der Wissenschaften Bd.XVII).5.Allflage, 1763. 6. Auflage, 1768. 7. Allflage, 1779(Reprint:Hildesheim 1973).)第3部「心理学」の「経験的心理学」(Psychologia Empirica)の中の「欲求能力」(facutas appetitiva)を論じたテクストの検討を進めた。 2.特にカントのTriebfederおよびBewegungsgrundの概念と関係するバウムガルテンの用語法を精査し、カント哲学のコンテクストを明らかにした。これを踏まえることによって、諸解釈者によってカントの用法の混乱とされてきた諸テクストが整合的に読めることを示した。 3.「純粋理性の批判」として有名なカント哲学の「純粋」の意味については、バウムガルテンとの対比においてこそ、その正確なコンテクストを踏まえた意味が明らかになるということを、理論哲学のコンテクストも含めて整理し、研究の全体的方向性を確認した。
|
Research Products
(3 results)