2009 Fiscal Year Annual Research Report
カント哲学のコンテクストとしてのバウムガルテン「欲求能力」論の検討
Project/Area Number |
20520006
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
檜垣 良成 University of Tsukuba, 大学院・人文社会科学研究科, 准教授 (10289283)
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Keywords | 哲学 / 思想史 / カント / バウムガルテン / 欲求能力 |
Research Abstract |
1.アレクサンダー・ゴットリープ・バウムガルテン(Alexander Gottlieb Baumgarten)の『形而上学』(Metaphysica, 1739 Halle. 2. Auflage, 1743. 3. Auflage, 1750. 4. Auflage, 1757 (In : Kant'sgesammelte Schriften, herausgegeben von der Koniglich Preussischen Akademie der Wissenschaften Bd. X VII). 5. Auflage, 1763. 6. Auflage, 1768. 7. Auflage, 1779 (Reprint : Hildesheim 1973).)第3部「心理学」の「経験的心理学」(Psychologia Empirica)の中の「欲求能力(facultas appetitiva)を論じたテクストの検討を、弟子のゲオルグ・フリードリッヒ・マイアーの独訳および解説本を参照しつつ進めた。 2.バウムガルテンにおいては一つのTriebfederであったBewegungsgrundがカントにおいてはTriebfederに対置されるようになる必然性を、カント実践哲学における「執行の原理」をめぐる思想の展開から明らかにした。 3.「純粋理性の批判」として有名なカント哲学の「純粋」の意味については、バウムガルテンとの対比においてこそ、その正確なコンテクストを踏まえた意味が明らかになるという大局的視点のもとに、カントにおいて「理性」が純化される様を跡づけた。
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Research Products
(2 results)