2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20520014
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
安彦 一惠 Shiga University, 教育学部, 教授 (20135461)
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Keywords | 自由意志 / 愛 / 転成的(transformative)価値 / 内在的価値 / 利他主義 / 利己主義 / 生活環境主義 / 環境プラグマティズム |
Research Abstract |
申請書に記した課題事項、特に自由意志、利己主義・利他主義について研究しつつ、その成果を次のように公表した。 1. 後者に関して、いわゆる環境倫理学として、「論文」2、3を執筆し、併せて、日本倫理学会の-プログラムを企画した(「学会発表」参照。なお、これについては『大会報告集』で要旨が活字化されている。拙稿部分は、pp.17-19である)。そのポイントは、環境倫理的場面における利他主義として「非-人間中心主義」を再規定し、従来の理解でのそれの-部内容を繰り入れるかたちで、-いわゆる「弱い人間中心主義」に定位して-いわば拡大的に「人間中心主義」をも再規定したことである。従来「非-人間中心主義」的成分として了解されがちであった「精神的利益」追求を明瞭に、広義には利己主義である「人間中心主義」の内容として確認した。「論文」1は、いわゆる「生活環境主義」(的発想)のうちにこの「人間中心主義的成分」の存在を確認したものである。 2.「図書」として挙げたもの(共著)の安彦担当部分は、以前の研究の成果を、しかし校正時(2008年度)において行った若干の修正を加えて出版したものである。これは、本研究課題の特に「自由意志」概念の検討に対して基礎的考察の位置を占めるものでもある。
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