2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20520023
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
黒川 勲 大分大学, 教育福祉科学部, 教授 (20264319)
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Keywords | スピノザ / コナトゥス / 最単純物体 / 方法 |
Research Abstract |
交付申請書の「研究の目的・研究計画」に照らした研究実績の概要は以下の通りである。 I 21年度に引き続き,17世紀科学革命期の科学論・自然哲学に関する西洋科学論及びホッブス、デカルト等の西洋近世哲学関係図書の入手と分析を行い,特にスピノザの『往復書簡集』で取り上げられるボイルとの関係に関して,スピノザとボイルの主張の比較検討を行った。 II スピノザの『往復書簡集』の内容を吟味し,形而上学類と科学類に大きく大別し整理するとともに,未邦訳科学的著作『虹に関する代数的論断』の一部の試訳を英訳書を参考におこなった。 III 『エチカ」第2部に見られるスピノザの物体的世界の枠組みの考察を行った。その結果,スピノザの物体的世界は最単純物体を基本単位とする階層的な世界であることが明らかになると同時に、実体一様態関係から統合的な世界像を結ぶものであることが明らかになった。 IV スピノザの自然哲学を含めた哲学全体の「方法」概念を明確化するために、方法論的著作『知性改善論』に見られる「実在の定義」、方法確立の中心となる「真の観念」の特徴の分析を行った。スピノザ哲学における方法とは因果関係の徹底を企図した、内的・反省的方法であることを明確にしえた。 V スピノザ『エチカ』の主題・体系的構成を整理確認するために,ドゥルーズ、メイヤー等の研究書の翻訳及び比較検討を行った。
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