2008 Fiscal Year Annual Research Report
現代フランス哲学の形成とサルトル倫理学の展開についての研究
Project/Area Number |
20520027
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Research Institution | Sapporo International University |
Principal Investigator |
水野 浩二 Sapporo International University, 人文学部, 教授 (20181901)
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Keywords | 哲学 / 倫理学 |
Research Abstract |
平成19年度の研究成果の一つとして、「倫理的規範と人間的実践-遺稿《倫理と歴史》(コーネル大学講演)についての研究(1)-」 (『平成18年度〜平成19年度科学研究費補助金基盤研究(C)研究成果報告書』、2008年3月、pp.1〜20)を書き上げたが、平成20年度は、その続編である、「倫理的規範と人間的実践-遺稿《倫理と歴史》(コーネル大学講演)についての研究(2)-」(『札幌国際大学紀要』第40巻、2009年3月、pp.295〜307)をまとめあげた。サルトルの遺稿である《倫理と歴史》を大きく二つに分け、昨年度は前半を、今年度は後半を検討したことにより、一応《倫理と歴史》に関する研究を終えたことになる。サルトルの《倫理と歴史》についての我が国最初の体系的な論文が出来上がったと自負している。 一方、ジャン・ヴァールの『具体的なものへ』(1932年)についての研究であるが、原書の翻訳については、訳文を数回推敲し、現在最終的な修正を施している最中である。その作業もこの夏には終り、秋には脱稿する予定である。また、『具体的なものへ』それ自体についての研究としては、その本に登場する、ウィリアム・ジェイムズ、ホワイトヘッド、マルセルの著作の原書、翻訳書、研究書を蒐集し、読解に努めている。そして、現代フランス哲学の形成過程に、それらの哲学ないしは哲学者がいかに影響を与えたかについて、只今考察中である。
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Research Products
(1 results)