2010 Fiscal Year Self-evaluation Report
The evolvement and integrity of Jonas' philosophy : Gnosis, life, future generation, and God
Project/Area Number |
20520032
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Philosophy/Ethics
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
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Project Period (FY) |
2008 – 2011
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Keywords | 倫理学 / 哲学 / 宗教学 / 責任 / 未来世代 |
Research Abstract |
本研究は、ヨナス(Hans Jonas1903-93)の思想的経歴をたどり、少なくとも四期に分節されるその展開の統合的な理解を目的とする。ドイツ生まれのユダヤ人哲学者ヨナスは、Heidegger,Bultmannの指導を受けた後、ナチスの政権掌握のため渡英し、グノーシス思想についての著作によって研究者としてのキャリアを開始した。その後イスラエルに移り、従軍し、1949年にカナダ、55年に米国へ移住してからは、生命(有機体)の哲学を展開し、生命倫理学の研究拠点であるHastings Centerの一員となった。未来世代の存続のために現在世代には地球規模の生態学的危機を回避する責任があるという『責任という原理』(1979)によって名声を高め、晩年は、自ら創造した宇宙に宇宙自身の運命を委ねた「無力な神」と宇宙の進化とを主題とする神学的宇宙論を展開した。一見したところ連続性を見出しがたいその思想遍歴のなかに連関を見出し、個別に論じられがちな彼の成果(グノーシス研究、有機体を自由な主体として位置づける生命哲学、人体実験や脳死判定基準やクローン人間に関する生命倫理学への寄与、生態学的危機への警告と未来への責任、神、宇宙生成論)を彼自身の文脈のなかで関連づけることが、本研究がめざす目標である。すなわち、(1)四期にわたる思想の展開の統合的な理解の提示、(2)各期それぞれのいっそう深い解釈の提示が本研究の目標である。
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Research Products
(11 results)