2008 Fiscal Year Annual Research Report
現存最古のニヤーヤ哲学綱要書『ニヤーヤ・カリカー』の校訂テキスト作成と翻訳
Project/Area Number |
20520044
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
丸井 浩 The University of Tokyo, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (30229603)
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Keywords | ジャヤンタ・バッタ / ニヤーヤ・カリカー / テキスト校訂 / ニヤーヤ哲学綱要書 |
Research Abstract |
インド論理学派の学体系(ニヤーヤ哲学〉をまとめた現存最古の綱要書『ニヤーヤ・カリカー』(NK)の世界最初の批判校訂テキストを作成し、かつ著者ジャヤンタの主著『ニヤーヤ・マンジャリー』(NM)との比較検討を行ないつつNKの翻訳・解説を施して、ジャヤンタカミ描出するニヤーヤ哲学の概観を提示するために(以上、「研究の目的」)、本年度はインド出張(デリー、バドーダラ、パタン、プネー)を行い、NK写本その他の資料収集に努め(研究実施計画A)、また写本照合壱こよるNK校訂テキスト作成の基盤整備及び作成作業を、研究補助を得つつ(謝金)遂行した(同B)。また本研究成果の一部に関連して世界哲学者会議(WCP)ソウル大会(09.7.30-8.5)に参加して(韓国出張)、インド哲学小部会を企画し、またNMに見られる哲学と宗教の交錯関係を掘り下げた口頭発表を行った(同C2)。このほかNKとNMの著者が同一であることを、両書の「定説」概念の定義を比較検討することによって立証しようとした論文の執筆(ネイティブチェック有り)、およびニヤーヤ哲学の中にジャヤンタの「定説」理解を位置づけることを意図した口頭発表(バルセロナでの国際会議〉の準備を行った(同C1)。このほか重要なフランス語論文の和訳(謝金支出)、09.9.1-5京都開催の国際サンスクリット学会発表の準備も行った。そのほか、オーストリアのニヤーヤ研究者E.Prets博士のニヤーヤ学派のテキスト断片整理に関する研究プロジェクトとの連携強化など(講演謝金)、関連研究者との国際学術交流健進に努めた。
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