2010 Fiscal Year Annual Research Report
板碑を素材とする思想史研究の新たな領域と方法の開拓
Project/Area Number |
20520065
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 弘夫 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (30125570)
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Keywords | 板碑 / 死者供養 / 古墳 / コスモロジー / 石塔 / 鎌倉仏教 |
Research Abstract |
[資料収集] 1、仙台市内の主要な板碑について、実物についての調査を行い、それを写真撮影して記録した。 2、板碑を、中世という時代をこえた石造遺物というより広い視点で捉え直すため、長野県の尖石遺跡や京都国立博物館で、他の石造物と比較すべく資料調査を実施した。 [分析と考察] 1、収集した板碑について、その分析とコスモロジーの解明を本格的に進め、それを時代のコンテクストに位置づけるとともに、当時の人々に共有されていたコスモロジーを抽出する作業を行った。 2、板碑研究でえられたコスモロジーや死生観と対比しながら、いわゆる鎌倉新仏教・旧仏教、本覚思想といった体系的な仏教思想の分析を行い、新たな角度からその特質と意義を見出した。 3、金石文から思想や思潮を読み取ろうとする本研究の課題を、これまでの思想史研究の方法と照らし合わせながら、方法論一般の問題として考察し、その成果を公表できるレベルまで引き上げ、国内外において論文・口頭において発表し、関連分野の研究者と議論を戦わせた。 4、東京大学において研究打ち合わせ会議をもち、問題意識を共有する研究者と最新の研究成果をめぐって意見交換を行った。 5、板碑建立の背景に存在する文化的・思想的な基盤と土壌を踏まえて、日本中世の板碑の特質を、時代と国境の枠を超えた広い視野の中でさまざまな角度から検討し、その独自性を明らかにした。 [成果発表] 1、本研究の成果を複数の論文として発表した。また、韓国・アメリカの国際学会において、研究成果を口頭で報告した。
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Research Products
(6 results)