2011 Fiscal Year Annual Research Report
19世紀前中期の江戸・東京における家族の実態と道徳思想
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20520075
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
早川 雅子 目白大学, 社会学部, 教授 (70212305)
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Keywords | 幕末・維新 / 人別書上 / 人別帳データベース / 江戸東京 / 近代家族 / 民衆道徳 / 孝経 / 往来物 |
Research Abstract |
[平成23年度] ①人別帳データベースの作成・分析:「麹町十二丁目人別帳」(慶応1・慶応2・明治1)計3本のデータベースをチェックした。各町屋敷の特徴とハメルーラスレットの分類法に基づく家族構成を分析した。しかし、報告書作成は未作成である。「渋谷宮益町人別帳」「渋谷道玄坂町人別帳」「渋谷東福門院前人別帳」をデータベース化した。②道徳思想の考察:都市部で刊行された「孝子伝」「教訓書」を資料にして、孝の目的や内容を分析し、経営体としてのイエを持たない都市家族の紐帯を考察した。1)血が繋がる者として我が子を捉える視点が顕在化し、そこから生ずる我が子に対する親しみやいつくしみの情が都市家族の紐帯になったこと、2)情的紐帯が、子供を養育するのは親の義務、その義務を怠るのは人道に悖るという意識の誕生を促したことを明らかにした。 [平成24年度] ①人別帳データベースの作成・分析:データベース公開に向け、1)データベース化した人別帳を保有する8つの町(四谷塩町一丁目・麹町十二丁目・四谷伝馬町新一丁目・牛込放生寺門前町・高田四ツ家町・渋谷道玄坂町・渋谷東福寺門前町・渋谷宮益町)の情報を整理し、FileMaker Pro方式で作成したデータベースをExcel方式に変換する作業を進めた。しかし、変換作業に手間取り、データベースの公開には至らなかった。②道徳思想の考察:1800年前中期に都市部で版行された育児書を資料にして、都市に定着し家族を形成した住民における主体形成を考察した。自らを考え働く個人と捉える意識、我が子への愛とその自制、教育者としての立場や役割の自覚という点に、主体形成の証を指摘し、近代化の先駆けをみることができると結論した。幕末・維新期の道徳思想が近代化の過程で如何に展開するかいう課題を設定し、都立中央図書館所蔵「孝経」解釈本、筑波大学付属図書館乙竹文庫所蔵の教育書を収集した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)