2009 Fiscal Year Annual Research Report
18~19世紀東アジアの自他認識の変容と翻訳語ネットワークの研究
Project/Area Number |
20520080
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
桂島 宣弘 Ritsumeikan University, 文学部, 教授 (10161093)
|
Keywords | 思想史 / 日本史 / 近代学術知 / 自他認識 / 植民地近代性 / 『朝鮮史』編修会 / ポストコロニアル |
Research Abstract |
研究第二年目にあたる本年度は、『朝鮮史』研究会の活動を引き続き継続し、20世紀初頭期、植民地時代朝鮮における近代日本学術の展開について、史料の蒐集と分析、日韓の研究者の招聘と研究会の開催、意見交換を行い、18~19世紀の自他認識の変容と翻訳語ネットワークについて論文執筆を行った(2010年6月、『季刊日本思想史』76号として刊行決定)。研究会の詳細は以下のとおりである。2009/5/22金仙煕氏(韓国高麗大学校)「韓国国定『国史』教科書にみる日韓関係の記述」、7/17共同発表会、7/25高吉嬉氏(山形大学)「旗田巍と朝鮮史研究-<在朝日本人二世>のアイデンティティと日朝友好」、11/6共同研究会「日本思想史学会のパネルセッションの報告、夏季史料調査報告」、11/20三ツ井崇氏(同志社大学)「植民地期朝鮮におけるハングル運動研究の現状と課題」、2010/1/16柳美那氏(韓国国民大学校)「植民地時代朝鮮の儒教について」、1/22共同研究会、1/30木村直也氏(産業能率大学)「幕末・維新期の朝鮮進出論」。また、既に組織されている東アジア思想文化研究会においては、徳川思想史に遡っての課題を整理した。これらに基づき、韓国語版での『東アジアの自他認識』を刊行した(2009年6月刊行、ソウル論衡社)。この他、『東アジアの思想と文化』2号を刊行した(2009年7月)。同時に東アジア宗教文化学会大会(2009年8月北海道大学で開催)、日本思想史学会大会(2009年10月東北大学で開催)等において、「植民地朝鮮における他者表象--『朝鮮史』編纂と近代学術知」と題するパネルセッションを実施した。以上から、当該テーマの東アジアにおける最新の研究現況が明らかとなり、今後の研究課題が明確となった。科研費はこれらの研究推進のための書籍購入・外国旅費・研究者招聘に用いられたが、所期の目的を十分に達成したと考えている。
|