2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20520086
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
田中 修二 Oita University, 教育福祉科学部, 准教授 (70336246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 聰 東海大学, 課程資格教育センター, 講師 (70439694)
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Keywords | 彫刻 / 近代日本 / 江戸彫刻 / 彫刻家 / 工部美術学校 / 銅像 / 塑造 / 仏像修理 |
Research Abstract |
1850年前後〜1907年に活動した彫刻家とその作品調査を、研究協力者とともに進めた。研究協力者は、交付申請書に記載した8名のほか、新たに藤井明(小平市平櫛田中彫刻美術館学芸員)が加わった。具体的には、江戸時代後期から明治初期にかけての「彫刻的なるもの」の動向、明治初期に西洋からsculptureの概念が入って以降の「彫刻家」たちの活動、工部美術学校の活動とその卒業生たちの業績、明治中期頃から建てられ始めた銅像という表現形式、塑造技法が大きな広がりを見せる明治30年代の動向、および当時から現在に至る「日本美術史」学の形成とも深く関わる銅像修理の状況などである。 これらの調査・研究をもとに、それぞれが原稿を執筆し、2009年度中に『近代日本彫刻集成』第1巻を国書刊行会から出版の予定である。すでに原稿はすべて出揃い、現在図版の収集や参考資料の編纂を進めている。 今回の調査・研究では、これまで個別的な研究はあったものの、包括的にとらえられることが少なく、かつ江戸時代と明治期とで分断されていた、幕末から明治期にかけての木彫・木工、牙彫、金工、塑造、窯芸などさまざまな技法・表現による立体造形を「彫刻」という枠組みから論じ、さらに江戸時代から明治時代への動向を連続的に把握しようとした。 このような新たな枠組みの提示、および今回の調査による個別的な作家・作品に関する研究の深まりは、今後の近代日本美術史学の発展に大きく寄与するものと考えられる。
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Research Products
(8 results)