2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20520088
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
河野 道房 大阪府立大学, 人間社会学部, 准教授 (90195678)
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Project Period (FY) |
2008-04-08 – 2013-03-31
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Keywords | 美術史 / 壁画 / 魏晋南北朝 / 墳墓 / 鮮卑 |
Research Abstract |
研究最終年度である平成24年度には、これまで調査した婁叡墓、徐顕秀墓、敦煌仏爺廟湾西晋墓、嘉峪関画像磚墓群、酒泉丁家閘5号墓等の壁画に対する分析を一層押し進め、さらに平成23年度末に行った南京周辺の南朝陵墓石獣の整理および分析を、年度前半に行った。年度後半には、報告書作成のための整理作業を行った。 特に、丹陽および南京の陵墓に残存する華表の礎石基底部四方に頻繁に見られる畏獣レリーフは、徐顕秀墓や文宣帝高洋の陵と目される河北邯鄲市磁県湾漳の北斉墓の壁画に見られる図像と酷似しており、畏獣モチーフが北朝のみならず南朝においても用いられていたことが明らかとなった。これら多数の図像の型および様式の分類・分析は、もうしばらく時間を必要とし、早急に結論を出すことはできないが、数少ない南朝の遺物に、同時代の北朝絵画と共通するモチーフがうかがわれることは、『歴代名画記』巻八等に記載される南北の画家の移動、交流を考えれば当然予想されることではあるが、現存事例として実際に確認できる意味は大きい。 以上、本年度中に明らかとなった研究成果は多くはないが、過年度の新知見とあわせて整理を進めれば、想像以上に多様な魏晋南北朝絵画史の一環が姿を現してくるであろう。魏晋期から広がりを見せる、異民族の絵画モチーフ、南北朝時代に急速に発展する人物造形の多様性と個性表現、群像表現の進化、畏獣・宝相華・宝珠など人物以外の様々なモチーフの出現等々、来る唐代絵画の主要な特徴の一部はすでに現れており、どの要素が継承され発展し、どの要素が消えていったのか、おおむね明らかになるものと思われる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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