2008 Fiscal Year Annual Research Report
古代中国・中央アジアの仏教供養者像に関する調査研究
Project/Area Number |
20520092
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Research Institution | Seisen University. |
Principal Investigator |
石松 日奈子 Seisen University., 文学部, 講師 (80424307)
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Keywords | 中国 / 中央アジア / 仏教 / 供養者 / 寄進者 / 邑義 / 石窟 / 造像碑 |
Research Abstract |
本研究は古代中国と中央アジアの仏教造像に表された供養者図像を美術史的に分析すると共に、その意味や機能という面にも注目して新たな研究の展開を目指すものである。全3年の研究期間内に当該地域の現地調査を行い、基本データを収集、整理、保存する計画である。 平成20年度は中央アジアの新彊地区を中心に、供養者像の作例が存在する仏教造像や石窟寺院の調査を実施し、基本データの収集、整理、保存を行った。まず5月以降は夏の調査を念頭に日本国内で情報を収集し、現地協力者と連繋して調査地域と時期を検討、現地機関への協力依頼を行った。そして、9月12日より22日まで中国新彊ウイグル自治区と陳西省西安周辺における調査を実施した。調査箇所は新彊ウイグル自治区のウルムチ市(新彊ウイグル自治区博物館、新彊考古研究所)、クチャ市(キジル石窟、クムトラ石窟、クズルガハ石窟、クチャ博物館)、陜西省西安市(西安博物院)、同安塞市(大仏寺石窟)である。現地協力機関と協力者の尽力で調査は順調に進み、写真撮影も許可された。また、近年の研究状況について最新の情報を得ることができた。10月以降はデータを整理してカード化し、撮影した写真画像は学生アルバイトを雇用してパソコンで整理、ハードディスクとDVDに保存している。新彊クチャ地区の石窟壁画に供養者像が数多く描かれていることはこれまでの研究で報告されていたが、それらすべての情報が公刊されていたわけではなかった。今回の調査では、石窟内で供養者像が描かれる位置や大きさ、供養者列像の向き、王侯貴族や男女在家信徒など供養者集団内部における人物構成について現場で確認できたことが大きな収穫である。
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Research Products
(2 results)