2010 Fiscal Year Annual Research Report
古代中国・中央アジアの仏教供養者像に関する調査研究
Project/Area Number |
20520092
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Research Institution | Seisen University. |
Principal Investigator |
石松 日奈子 清泉女子大学, 文学部, 講師 (80424307)
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Keywords | 中国 / 中央アジア / 仏教 / 供養者像 / 寄進者像 / 石窟 / 造像塔 / 造像碑 |
Research Abstract |
平成22年度はデータ収集が不十分と思われる以下の地域で調査を行った。 (1) 陝西省 西安市西安碑林博物館。 陳列中の仏教造像の調査、写真撮影を行い、館長や展示担当者から情報収集した。とくに、家族供養者像の構成や配置について詳しくメモを取った。造像碑のなかには騎馬像や牛車で表現された供養者集団が多く認められ、墓葬美術との図像上の関連性について今後さらに研究が必要であることを確認した。 (2) 河北省 正定文物保管所、黄〓市博物館、滄州市博物館。 河北省文物局の案内で正定文物保管所、黄〓市博物館、滄州市博物館を訪れ、北魏から唐時代までの白玉像を中心に調査を行った。河北の小型白玉像では他地域に比べて供養者像の表現が極めて少ないことを確認した。 (3) 北京市 北京首都博物館。 北京首都博物館で展示中の北魏石仏と東魏造像碑についてメモをとり、写真撮影を行った。 (4) 甘粛省蘭州市 甘粛省博物館。 甘粛省考古研究所と甘粛省博物館の協力で、甘粛省博物館陳列室の北涼~唐時代の仏教彫刻を調査、写真撮影した。また、博物館収蔵庫内で西魏~北周時代の石彫像や造像碑を調査した。とくに四面の積み上げ式石塔について、供養写像の構成や配置などについて詳しく観察することができた。故人となった家族を騎馬像で表す石塔や造像碑は墓碑としての機能も具えていたと考えられ、供養者を表現する目的や意味について、あらためて考える必要を感じた。 また、最終年度にあたり、三年間の研究成果をまとめた報告書(A4版。全99頁)を作成し、関係機関や研究者に送付した。
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Research Products
(4 results)