2008 Fiscal Year Annual Research Report
アジア地域における伝統的家具の接合部品の構成要素に関する研究
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20520104
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
田中 隆充 Iwate University, 教育学部, 准教授 (20374861)
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Keywords | 接合構造 / 接合部品 / 中国伝統家具 |
Research Abstract |
中国における伝統的家具の歴史分布を把握するため、技術的な特性、特に木工技術分野、金工技術分野の歴史の流れを主に地理的に整理することにあり、山東省の伝統的家具においては山東省博物館・Lu Wen Sheng館長に研究の協力体制で行った。本研究調査で重要と思われる家具は山東省に集約されていることが、博物館の王研究員の既往研究からも明らかになりつつあったため、山東省における伝統的家具の接合部を主軸とした調査を行った。歴史的な背景から考えると明の時代における家具は木材同上の接合方法の機能的な発展が著しくあることから、その時代における家具調査に視点をおくこととした。家具の接合部の構造については分解しなければ正確な構造とその機能性を把握することができない。ましてや、貴重な国宝レベルの家具の場合は、博物館の研究員の中でも限られた研究者でなければ見るごとすら出来ないため、発掘された分解状態の家具と複製化された時に調査された資料収集を山東省博物館の研究員の協力で行った。また、同時に上海の同済大学の聖〓博士が家具のカテゴライズの専門であり、既に国内で共同研究を行った実績があることから、数度にわたり、家具の調査資料と今後の効果的な調査方法を協議し、家具のカテゴライズ化を単なる造形的な特徴や時代ごとのカテゴライズという捉え方ではなく、部品数や寸法をもとに数量化されたカテゴライズする方法で次年度の研究が深まることを確認した。実際に調査した研究対象となる異なる家具の接合方法については今後、日本の伝統的な木工の接合方法と比較し、日本国内では反映されていない接合方法の有無を確認するレベルの調査写真と接合部分の透視図の資料を調査、収集できたことは大きな成果と考える。
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Research Products
(3 results)