2010 Fiscal Year Annual Research Report
アジア地域における伝統的家具の接合部品の構成要素に関する研究
Project/Area Number |
20520104
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
田中 隆充 岩手大学, 教育学部, 准教授 (20374861)
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Keywords | 工業デザイン / 接合部品 |
Research Abstract |
中国、山東省博物館等の協力で伝統的家具の接合部分の資料収集を行い、その調査資料と日本で使用されている代表的な伝統的な約100種類の接合部分(接ぎ手)を比較し整理を行い,平成22年度はその調査資料を基に抽出した10種類の三次元CADでデータ化(IGES対応)した。工芸品のように一品ものである場合の接合部分の構造については非常に複雑なものもある。本研究の目的は、アジア地域の伝統的な技術の調査から得た、日本の伝統的家具の技術的な特長や優位点を探索し、且つ、新規的な家具のあり方を考察することであるため、仮に高度な技術を持つ職人がいなくとも、伝統的な接合部分を再現できる構造を選択し三次元CAD化(前述の10種類のデータ化)した。また、このデータを基軸に三次元プリンタで再現し、現代的な家具への応用や、その接合部品を可視化した玩具への展開の可能性についても探索した。例えば、今回、中国で調査した山東省博物館所蔵の伝統的家具の場合は比較的、単純な構造による接合構造で構成されているが、日本で使用されている伝統的家具は用途に応じては複雑な接合構造もあり、一度、組み上げると分解するのは困難である。更に、組み上げるプロセスも高度がなければ難しい構造も多い。しかし、工芸品ではなくマスプロダクトを前提にした家具の場合は、伝統的な機能性や芸術性だけではなく、量産性を視野にした構造性、社会ニーズの視点からもアプローチする必要があり、上述のようなデータ化を進展もしくはデフォルメ化することで、新たな日本の独自性を視野に入れた家具の提案が可能であると本研究で推察した。
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Research Products
(6 results)