2008 Fiscal Year Annual Research Report
近現代ロシアにおける音楽とナショナリズム-オペラ、大衆歌曲、国歌にみる諸相
Project/Area Number |
20520129
|
Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
梅津 紀雄 Kogakuin University, 工学部, 講師 (20323462)
|
Keywords | ロシア / 音楽 / オペラ / 国歌 / 大衆歌曲 / ナショナリズム / 国民主義 / ソ連 |
Research Abstract |
本研究は、近現代ロシアにおける音楽とナショナリズムとの相関関係を、いわゆる「国民楽派」に限定することなく、帝政時代とソ連時代との連続性、および断絶の両面に着目し、さらには現代ロシアの状況にも踏み込んで検討するものである。平成20年度は、主として19世紀の状況に関して、「ニコライ一世時代の文化政策」、「作曲家グリーンカのオペラ《皇帝に捧げた命》の創作と受容」、および「帝政ロシア国歌の成立過程」、「『国民楽派』の成立過程」、「『国民楽派』のオペラとナショナリズム」、「音楽院成立のプロセス」などをテーマに資料収集を行った。「国民楽派」のオペラとナショナリズムについては、その成果の一部を「オペラ《イーゴリ公》諸版にみるその現代性:歴史表象とオリエンタリズム」(『東京国際大学論叢経済学部編』第40巻、81-98ページ)として発表した。国歌については、平成20年9月13日に埼玉大学東京サテライトで開催された第1回「ロシア的主体」プロジェクト研究会にて「ロシア国歌史〜歴史的変遷とその表象するもの」と題して報告した。このテーマに関しては、発表の際の質疑応答をふまえつつ、論文として発表する予定であり、グリーンカのオペラその他のテーマについても、平成21年度以降に論文として順次発表していく予定である。また、平成21年3月7〜8日に北海道大学スラブ研究センターで開催された合同セミナー「ソ連文化と記憶の問題をめぐって」にも参加し、関連テーマで発表を行っている。
|