2008 Fiscal Year Annual Research Report
コンピュータ音楽の譜面表現のための電子音色辞書の構築
Project/Area Number |
20520134
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
小坂 直敏 Tokyo Denki University, 未来科学部, 教授 (20366389)
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Keywords | 音声学 / 芸術諸学 / コンテンツアーカイブ / コンピュータ音楽 / 音響工学 |
Research Abstract |
3年間の研究期間内で、1.音色記号の定義、2.自然音、電子音、コンピュータ音楽の譜面などのデータ収集、3.電子音色辞書の構築、4.音色記号を用いた譜面作成とコンサート等を通じた社会への啓蒙、の4つをあげた。当初計画では、1,2を20年度に進め、3,4を次年度以降と考えたが、音色記号の定義は、学会での研究議論などを通じて当初計画のように自由に設計する方針はユーザの利用しやすさ、という観点で好ましくない、と判断し、音声言語で用いるIPA (International Phonetic Alphabet)を基礎にした記述体系を採用する方針に変更した。そのため、IPAの学習から開始することになり、定義についてはやや成果が遅れている。また、2.は、打楽器音、ヴァイオリン音や水音などのデータ収集を行った。譜面の収集はまだ手付かずであるが、研究に必要なデータ量の収集はできた。 1.の遅れの反面、3.を前倒しして、あらゆる音をネットワーク上に音色記号とともに登録してユーザ間で登録する、電子音色辞書の構築を進めた。20年度は特にネットワーク上のサーバクライアントシステムとしての基本機能、音の登録、編集などの使用時の基本機能を充実させた。また、特にGUI (Graphlcal User Interface)について、音オブジェクトを粒子と見立て、宇宙空間に浮かぶ星々のように、聴覚に基づいたスペクトル尺度であるMFCCに基づいた3次元上の布置を表示し、ユーザが意のままに再生、加工ができる枠組みを提示することができ、学会発表を行った。以上により、電子音色辞書のツール化と、本研究目的だけに限定しない、啓蒙の進展が今後の研究展開でも非常に重要である。
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