2010 Fiscal Year Annual Research Report
包括的な文化理解に基づく彫刻文化財修復論の措定研究
Project/Area Number |
20520138
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Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
秋田 孝弘 立正大学, 仏教学部, 教授 (50287918)
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Keywords | 文化財修復 / 修復論 / 彫刻文化財 / 仏像修復 / 文化理解 |
Research Abstract |
平成22年度は、前年度までの成果を元に、 1.彫刻文化財とその他の分野の文化財修復を比較し、相違点について検討し、 2.彫刻文化財の修復をとりまく現実問題を確認するため、公開シンポジウムの開催、 3.3カ年の研究成果をまとめ、冊子化 以上の3点について研究を行う予定だった。1.については、外部より建造物研究の専門家を招いて研究会を開催し、建造物と彫刻の文化財が抱える問題点の比較を行った。とくに建造物の修復に関わる問題は、彫刻のそれが抱える問題と類似する部分が多く、オーセンティシティの判断に関する意見交換は興味深い内容となった。2.については、彫刻文化財をとりまくさまざまな立場からの意見をすりあわせ、問題の焦点をあきらかにしつつ、同時にそれらについて健全に議論し合う場と言葉の共有をねらって開催を予定していた。しかし、開催直前に東日本大震災が発生し、一旦中止を余儀なくされた。3.についても2.同様。結果、研究期間の延長を申請し、平成23年度前半まで期間を延長した。 平成23年8月までは、平成23年(2011)3月11日に発生した東日本大震災により、研究期間の延長を申請、受理されたため平成23年8月まで本研究を行った。前年度に開催を予定し、震災発生により中止したシンポジウムをあらためて計画し開催した。パネリストとして、仏像彫刻修復家、彫刻史研究者、寺院の立場および教団史研究者、彫刻家の5名を招き、彫刻修復に関わる主体者、依頼者、事業の監修者等、それぞれの立場から活発な意見が交わされた。シンポジウムの成果に、平成20~22年度に行った研究成果とそれ以前からの研究発表を加え、本研究報告書として冊子化した。
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Research Products
(3 results)