2010 Fiscal Year Annual Research Report
インテリア空間に表出される精神の病みに関する調査研究
Project/Area Number |
20520146
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Research Institution | Takarazuka University of Art and Design |
Principal Investigator |
加藤 力 宝塚大学, 造形芸術学部, 教授 (40111992)
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Keywords | 表層文化論 / インテリア計画 / 社会心理学 / 精神病理 / 住居計画学 / インテリアデザイン |
Research Abstract |
近年、引きこもりや青少年の犯罪など、精神に病みを持つ若者が多い。こうした若者達が住まう部屋の状態が時折、メディアに取り上げられることがある。これらを見ると、空間と精神の病みとの間には、ある種一定の暗黙の関連が存在することが伺える。すなわち、人間が住まう空間の有り様には、外的に観察される生活行動のみならず、精神的・心理的あるいは社会的な住み手の状態が反映されると、判断できるのである。ここでは、精神に病みを持つ若者達とその人たちが住まう部屋のインテリア空間との関係性について取り上げ、まず(1)その実態を明らかにし、それらの関連性と内容に関して実証する。次に(2)精神の病みとインテリア空間に表出される実態との関係や因果性について考察を行う。さらに(3)このような精神の病みから青少年達を再び立ちなおらせるための方策に関して、空間計画の側から解決のための手がかりを得ようとすることが本研究の目的である。研究方法はイ)写真投影法による心理解析と、ロ)発話を手がかりとしたプロトコル分析の2つによった。 本研究の結果として、インテリア空間と精神の病みとの関係性に関し次の3つの評価チャートの作成を行った。1)意識-表出軸、2)要素-時間軸、3)構成-行為軸。それぞれマイナス2~プラス2、間での5段階出の評価とした。 精神の病みについては躁、鬱、脅迫性人格障害、非虐待、自己愛性人格障害、総合失調症、ひきこもり、依存症、ADHD,潔癖症の10の症状を取り上げた。この中の幾つかは確定できるものの、未だ確定できないものも残されており、今後さらなる検証研究が必要と思われた
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