2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20520147
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Research Institution | Hiroshima Institute of Technology |
Principal Investigator |
三村 泰臣 Hiroshima Institute of Technology, 環境学部, 教授 (60289262)
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Keywords | 白い布 / 練供養 / 備後荒神祭 / 備後五行祭 / 山ノ神祭 |
Research Abstract |
民間人が暮らしの中で表象してきた表象芸術の一つに民間神楽がある。環瀬戸内海の民間神楽には、まだよく認識されていないが、東アジアの表象芸術と重なりあう点が多々観察できる。その一つが「白い木綿布」である。この白い布は東アジアの民間祭祀でもよく使用されている。本研究は東アジアの民間祭祀に使われる白い布の、使用分布・使用方法・使用目的を、日中韓の特定領域(長江中流域三角地帯、山東半島、朝鮮半島、環瀬戸内海の四領域)でフィールド調査し、それを比較考察し、日本の表象芸術が東アジアの表象芸術と連携しながら成立・展開したことを実証することを目的とする。 平成21年度は日本の民間神楽と仏教民俗に見られる「白い布」の実地調査をおこなった。4/19誕生寺練供養(岡山県久米南町)、5/5弘法寺練供養(岡山県瀬戸市牛窓)、8/16広済寺鬼来迎(千葉県横芝光町)、10/24浦崎神楽(尾道市浦崎町)、11/1備後荒神祭(世羅郡世羅町山中福田)、11/8藤生神楽(岩国市藤生)、12/6備後五行祭(東広島市豊栄町安宿)、1/17山ノ神祭(岩国市由宇町清水)等の調査をおこなった。これらの調査で白い布が民間神楽だけでなく、死者を祀る日本の民俗のなかにも組み込まれていることが確認できた。 また2008年8月から島根県古代文化センターで共同研究をおこなってきた「中国地方各地の神楽比較研究」の成果を、2010年2月5日から4月4日まで、本研究テーマの成果もふんだんに取り込んだ展示会「島根の神楽-芸能と祭儀」(島根県立古代出雲歴史博物館)を開催した。様々な八岐大蛇、荒平の系譜、浄土神楽の痕跡、神楽に現れる藁蛇、等である。
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Research Products
(6 results)