2008 Fiscal Year Annual Research Report
使者文学の基礎的研究ー戦国・島原の乱を中心としてー
Project/Area Number |
20520198
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Research Institution | Ibaraki Women's Junior College |
Principal Investigator |
武田 昌憲 Ibaraki Women's Junior College, 国文科, 教授 (00221375)
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Keywords | 島原の乱 / 戦国軍記 / 幕藩体制 / 近世軍書 / 山口文書館 / 毛利家文庫 / 板倉藩 / 福島県立図書館 |
Research Abstract |
山口文書館・毛利家文庫の蔵書を調査・閲覧。撮影に努めた。『島原陣』は、『萩藩閥閲録』等に載る記録の中で島原の乱に関する藩士の記事を収録したものであるが、『閥閲録』以外の記録も少なからず見受けられ、翻刻をしたほうがよいと思われた。『閥閲録』は翻刻・出版されているが、所蔵先が限られる稀少本なので、早稲田大学図書館や、国会図書館等での閲読・複写が必要であることがわかった。この作業に時間がかかった。その中の一部に乱の使者の記事が見えるので検討した(紀要報告)。同文書館蔵『島原陣御備組全』は、同蔵『島原陣御備附』の膨大な長さの絵(150m)と関連がある。今後の調査を必要とする。『島原陣御備組全』は撮影できた。『絵』の方は今回の科研費と直接関係ないと判断し今後の課題とした。 なお、同文書館には3万点に及ぶ毛利関係文書があり、島原の乱関係を探すことが大変であることがわかった。来年度も調査の必要性がある。 福島県立図書館蔵の『島原一揆有増之記』は福島藩祖板倉内膳正重昌に関する記録である。板倉重昌は幕府上使として最初に現地の島原・原城に行き、総攻撃の最中、討ち死にした人物であるが、板倉藩自体、移封が多く、処々で記録が散逸してしまった可能性がある。そのため、これまでなかなか新しい記録が見当たらなかった。今回の調査で、上使としての記録の側面が調査できそうである。同書の閲覧と複写を行った。同館所蔵の『嶋原記』は、これも調査閲覧を行った結果、版本や五巻本の刊行された『島原記』とは内容が全く異なる新作品であることがわかった。これも複写に努め、今後の研究分析の助けとした。なお、国立公文書館・内閣文庫にも板倉関係文書があることがわかった。
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Research Products
(1 results)