2008 Fiscal Year Annual Research Report
平家物語の初期形態に関する多角的研究-屋代本を拠点として-
Project/Area Number |
20520199
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Research Institution | Kokugakuin Tochigi Junior College |
Principal Investigator |
千明 守 Kokugakuin Tochigi Junior College, 国文学科, 教授 (00310194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 葦江 國學院大学, 文学部, 教授 (70157254)
坂井 孝一 創価大学, 文学部, 教授 (40235106)
佐々木 孝浩 慶應義塾大学, 附属研究所斯道文庫, 准教授 (20225874)
吉田 永弘 國學院大学, 文学部, 准教授 (30363906)
牧野 淳司 明治大学, 文学部, 講師 (10453961)
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Keywords | 平家物語 / 屋代本 / 書誌的研究 / 百二十句本 / 語り本系諸本 |
Research Abstract |
平家物語がどのような過程を経て成立したのか、あるいはその初期形態がどのようなものであったのか、という根本的な問題を明らかにするために、現存の語り本系諸本の中で比較的古態を多く留めていると評価されてきた屋代本平家物語(国学院大学図書館蔵)とその周辺の諸本について、書誌学・日本語学・歴史学等の多面的な視点から調査研究した。本年度は、まず問題のありようを見極めるために、6月に、平家物語の読み本系の本文研究の分野で多くの実績を上げている麻原美子氏を招いて公開討論会を実施した。その上で各研究者がそれぞれの専門分野から問題を設定し、調査研究に当たった。 6月と2月に屋代本の詳細な書誌調査を行い、次いで、9月、11月に百二十句本及びその関係諸本の基本的書誌調査を実施し、調査結果とそこから得られたそれぞれの専門分野からの知見を報告発表した。調査対象は、斯道文庫蔵百二十句本、佐賀大学鍋島文庫蔵小城本、佐賀県立図書館蔵本とした。また、現在までの屋代本平家物語をめぐる研究史とその評価について、共同で検証し討議した。対象とする主な研究者は、高橋貞一・渥美かをる・時枝誠記・永積安明・山下宏明、とした。 これまで看過されてきた屋代本とその周辺の本文の特殊な書誌形態と本文状況が明らかになった。特に巻十一の特殊性が明らかになったので、次年度以降その本文について輪読会の形で検討を重ねることを確認した。
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Research Products
(14 results)