2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20520202
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Research Institution | Ishikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
高島 要 石川工業高等専門学校, 一般教育科, 教授 (80124022)
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Keywords | 国文学 / 日本漢詩 / 日本詩選 / 江村北海 / 漢詩文 |
Research Abstract |
『日本詩選』典拠詩集の追跡調査の補充及び『日本詩選続編』の作者・典拠詩集等の調査を実施し、電子化テキストを完成させた。併せて『日本詩選』を漢詩史的観点から考察した。 ○『日本詩選』正編は、詩数1414首であるが、ひとまず、789首について、その典拠詩集もしくは直接関連すると思われる詩集が判明し、現存資料からこれを特定した。『日本詩選続編』について、「続編作者姓名」には、567名(うち92名は正編と重なる)が挙がる。その他に、続編首巻には51名が別に挙がる。続編作者は、首巻51名、続編本編567名の、延べ618名であるが、うち3名は首巻、本編に重なるので、しばらく異なり作者数は615名ということを確認した。次に続編の詩数は、1278首である。内訳は、続編本編(巻一から巻八まで及び補遺拾遺)が1156首である。その他に首巻が122首である。これを確認し作品番号を付して特定し、電子化テキストを作成した。 ○『日本詩選』の編纂とその影響について文学史的観点から考察した。一つは、『日本詩史』との比照である。江村北海『日本詩史』は、『日本詩選』以前に刊行された。近世の漢詩史を記述する『日本詩史』に言及される詩人は、『日本詩選』採録詩人にも多く重なる。そこに記述される漢詩集と『日本詩選』に採択された漢詩集を比照することによって、『日本詩選』編纂における詩集の採用状況を文学史的に観察することができるものがある。『日本詩選』と『日本詩史』を具体的に、詩人・詩集の観点から比較検討した。二つには、『日本詩選』以後の総集が、『日本詩選』から受けた影響である。これには、かつて考察した『東瀛詩選』があるが、それ以前に未刊行総集『煕朝詩薈』がある。『煕朝詩薈』は、一部において『日本詩選』からの直接影響を指摘できる。これを『煕朝詩薈』の具体的な採択詩人及び詩作品から指摘することができた。以上『日本詩選』について、漢詩史・総集史の観点から具体的に考察した。
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Research Products
(2 results)