2010 Fiscal Year Annual Research Report
ユダヤ人の記憶とホロコースト研究における記憶の政治学
Project/Area Number |
20520205
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Research Institution | Otaru University of Commerce |
Principal Investigator |
羽村 貴史 小樽商科大学, 言語センター, 准教授 (00312439)
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Keywords | ユダヤ教 / カバラー |
Research Abstract |
最終年度は、ユダヤ教における時間概念をめぐる古典的な言説を再確認するとともに、ユダヤ教の祝祭Shemini AtzerethとSimchas Torahおよび安息日に合わせて渡米した。 研究論文「ユダヤ教における記憶と時間」は、1960年代の内外の研究者による聖書解釈学を吟味したものである。この時代のユダヤ聖書研究は、主としてクリスチャンによるものが多く、今となっては否定されるべき実証主義的な姿勢のものも目立つが、ヘブライ語原典を精緻に分析しデータ化しているのも大きな特徴で、きわめて有用なものも多い。本研究において、この時代の言説に目を向けたのは、ユダヤ人の手による世俗的な神学研究が登場する直前の聖書解釈学について知っておきたかったからである。ユダヤ人の手による研究には、聖書それ自体よりも、ミドラシュやカバラーを重要視する傾向が認められ、それゆえ、その直前の時代の成果が有用となる、と考えられるのである。 夏季休暇中には渡米し、正統派ユダヤ教のShemini AtzerethとSimchas Torahおよび安息日を視察した。前年度はTisha B'Av、その前の年はRosh HaShanahを視察したが、いずれも日本にいては経験できないものばかりであったし、疑問点等については聖職者たちからさまざまに説明を受けることができた。また、現地の研究者と意見交換し、豊富な蔵書を誇るUMass図書館で資料収集する機会に恵まれた。
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Research Products
(2 results)