2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20520209
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
馬籠 清子 筑波大学, 人文社会系, 講師 (60463816)
|
Keywords | モダニスト文学 / モダニスト音楽 / 四重奏 |
Research Abstract |
今まで同様、研究を進めながら海外の査読誌からの出版を少しずつ実現していくという当初の計画通り、平成23年度は、アメリカの学術誌Notes on Contemporary Literatureの査読に合格した"'How Can Everything Come from Four Simple Bases?': Perceptions of the World through Richard Powers's The Gold Bug Variations"を仕上げて出版した。この論文では、現代アメリカ作家のRichard Powersが、「世界は4でできている」というテーマを基に、どのようにしてThe Gold Bug Variationsという長編小説を組み立てているのかという点を分析している。そして、その世界観が、古代ギリシャのピタゴラスやエンペドクレス以来の宇宙観・世界観を反映しつつ、DNAの4つの塩基のイメージにまでつながっているという視点が、私自身の研究課題「モダニスト四重奏文学の共時的分析」の大きな土台・枠組みにも重なっているという点で、重要な位置を占めている。また、この土台・枠組み、あるいは全体の見取り図的な歴史の流れについては、総合科目の授業でも、「4にまつわる宇宙観・世界観」というテーマで数回にわたって連続した講義を行い、その準備や学生からの反応の中で、要点を整理する貴重な機会を得ることができた。さらに、次年度の査読挑戦に向けて、Jean Rhysの作品研究を進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
毎年、少しずつ研究を進めながら、海外の査読に少なくとも1本は合格し、出版を決めている。また、それらの論文を関連付けて、2冊目の研究書を海外で出版する準備も進めている。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き、海外の査読に年1本は合格するよう、しっかりと研究を進める他、2冊目の研究書にどうまとめていくかも計画していく。また、最初の計画以上に研究範囲が広がってきているため、今後数年間の研究計画について整理していく。
|