2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20520210
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
時實 早苗 Chiba University, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (80070514)
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Keywords | ディアスポラ / 書簡 / 移民 / アフリカ系アメリカ人文学 / メキシコ系アメリカ人文学 / ポストコロニアリズム |
Research Abstract |
本年はアメリカでの資料収集、調査を行う予定であったが、21年度4月〜9月にYale大学において客員研究員として研究できることになったので、1年先に延ばした。今年度は2本の論文を平行して執筆し、そのひとつについて研究調査の一部を発表した。ひとつは、Anna CastilloのMixquiahuala Lettersにおける書筒体の意味についての論文が進行中である。Castillo他の作品、およびメキシコ系アメリカ人女性の文学についての資料、評論を読み、女性であることと移民であることの両方における移動性と手紙の関係を考えた。論文はほぼ完成している。いまひとつはCaryl PhillipsのCrossing the Riverについての論文であるが、とくにそこにおいて重要な意味を持つ、自由民となったアフリカ人の奴隷.をアフリカに帰すという運動を行ったThe American Colonization Society(アメリカ植民協会)の歴史について、差別とコロニアリズムの観点から調査し、その途中経過を研究ノートの形で発表した。この協会の研究は、歴史研究においてもまだ行われていない方面が多々あり、文学との関連で探求していくことにも大いに意義があると思われる。また前年より、研究課題と関連ある黒人女性作家Alice Walkerの小説におけるディアスポラの意味について論じた論文"Lefters, Diaspora, and Home in The Color Purple"を収録した論文集Seeking the Self-Encountering the Otherの刊行にむけて原稿を整えてきたが、20年12月にSan Francisco MLA(アメリカ現代語学会)総会に出席し、ポストフロニアリズムの問題、アフリカ系アメリカ人の作家の研究、そして実在の書簡の研究などのセッション、ワークショップに参加した。また、22年度に予定しているシンポジウムに向けて、海外研究協力者と打ち合わせを行った。
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Research Products
(2 results)