2008 Fiscal Year Annual Research Report
自己検閲の文法:ハーディの中期小説に施された改稿の分析
Project/Area Number |
20520220
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
上原 早苗 Nagoya University, 国際言語文化研究科, 教授 (00256025)
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Keywords | イギリス小説研究 / ハーディ / 書誌学 / 草稿研究 / 本文異同 / 出版文化史 |
Research Abstract |
本研究はトマス・ハーディの『搭上のふたり』(Two on a Tower)の原稿および活字テクストの本文異同を研究することによって、ハーディに固有の「改変の文法」の分析を目指すものである。今年度はまず、原稿358葉のうち、およそ250葉の解読を計画していた。しかし、前回の科研費の成果報告書を執筆している最中に『カースタブリッジの町長』(The Mayor of Casterbridge)の原稿内部の改変のなかに、これまでの研究によって見逃されてきた点が多々あることが判明したため、計画を変更した。 具体的には、『カースタブリッジの町長』の原稿の分析に専ら従事することとし、ドーチェスター博物館およびドーチェスター歴史資料館に赴いて原稿の紙およびインク、ペン先などの状態からハーディの執筆段階を確定した。次いで、事後的な改変がテクストに齎した新たな意味効果について吟味検討した。 なお本年度の研究成果は、"Thomas Hardy's Mayor of Casterbridge: Reading Susan's Desire"として纏め、国際シンポジウム"Thinking Gender in Culture and Society"(平成20年12月19日〜21日、名古屋大学)において発表し、さらにViewing Bodies, Reading Desire, Conceptualizing Families: The Proceedings of International Conference on Thinking Gender in Culture and Society (Nagoya University, The Graduate School of Languages & Cultures, 2009)誌上に発表した。
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Research Products
(3 results)