2009 Fiscal Year Annual Research Report
エリオット詩劇と共同体再生への道筋-宗教的世界と世俗的世界の境界を挟んで-
Project/Area Number |
20520236
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
佐伯 惠子 Prefectural University of Hiroshima, 人間文化学部, 准教授 (40285416)
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Keywords | 英米文学 / 詩劇 |
Research Abstract |
本研究はT.S.エリオットの詩劇を再読・再評価することを主目的としている。全6編の詩劇に関して論じた論文はすでに個別に公表し終え、年末にはその集大成として学位論文を完成させることができた。 昨年は、その6編の詩劇のうち、第4作の『カクテル・パーティ』初演60年目にあたっていた。そこで、日本T.S.エリオット協会では全国大会のシンポジウムとしてこの詩劇を取り上げることにし、講獅3名の選定・取りまとめ・司会兼講師を佐伯が務めた。11月7日のシンポジウム実施までの約8ヶ月間を準備に充て、高い評価を得た。本研究で積み上げてきた成果が活かされたものと考えている。現在は、そのシンポジウムの報告をまとめて学会誌に公表する準備に入っているところである。 交付申請の段階では、物品費と旅費を同額と予定していたが、執行の段階で旅費を抑え、全支出額の6割以上を図書費に充てることとなった。すでに絶版となっている貴重な古書を入手することもできた。また、その他の経費で国内外の文献・資料の収集も多数行なった。これらの書籍や文献・資料を、上記シンポジウムの準備に役立てることができたことは、大変ありがたかった。 これまで、エリオットの詩劇と詩・評論を有機的に関連づける作業を行なってきた。上記シンポジウムの報告書を学会誌に掲載することとは別に、今後は本研究を総括し、1冊の著書として公表する準備に取りかかりたいと考えている。
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Research Products
(1 results)