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2009 Fiscal Year Annual Research Report

アイルランド小説における女性身体と女性空間をめぐる研究

Research Project

Project/Area Number 20520251
Research InstitutionNippon Medical School

Principal Investigator

中村 哲子  Nippon Medical School, 医学部, 准教授 (20237415)

Keywordsアイルランド文学 / ビッグ・ハウス小説 / 女性 / コネマラ / ナラティヴ・セラピー / 病
Research Abstract

本年度の研究で取り組んだ課題は次のとおりである。
1.19世紀のアイルランドにおいて、辺境の地として捉えられていたコネマラ地方に関わりのある文学作品に焦点を合わせ、そこに描かれる女性表象とアイルランド性について考察を深めた。具体的に対象とした作品は、Maria Edgeworthの旅行記、Charles Leverの小説、および、この地方を治める地主の娘であったMary Martinの小説である。これらのビッグ・ハウスに関連のある作品をとおして、The Princess of Connemaraと呼ばれたMary Martinがアイルランドを象徴するような人物としてイギリス全土でどのように受容されていったかが明らかとなってきた。19世紀後半に民族主義運動が高まりを見せる以前、女性性がアイルランドという地との関連でいかに捉えられていたかを解き明かすことは、19世紀のアイルランド文学の流れを理解するのに有効な視点を加えるものになると思われる。アイルランドでの資料収集や取材が有効であった。
2.20世紀の最後の四半世紀から21世紀にかけてのビッグ・ハウス小説に焦点を合わせ、女性の病とナラティヴの関係性について考察を深めた。ビッグ・ハウスという空間において女性の精神疾患が繰り返し描かれるが、そこにライフ・ヒストリーやナラティヴ・セオリーの視点を導入しながら、現代小説における女性の空間と身体の問題がビッグ・ハウス小説の枠組みの中でどのように扱われてきたのかを解き明かした。次年度は、時代をさかのぼりながらのより多くの対象作品を考察し、研究の継続を予定しているテーマである。
それぞれの研究内容の一部は、研究発表や論文などで発表した。

  • Research Products

    (3 results)

All 2010 2009

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] The Princess of Connemaraをめぐる言説のラビリンス2009

    • Author(s)
      中村哲子
    • Journal Title

      エール 29

      Pages: 3-19

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article]2009

    • Author(s)
      中村哲子(風呂本武敏編)
    • Journal Title

      『アイルランド・ケルト文化を学ぶ人のために』4章 ビッグ・ハウス小説の伝統(世界思想社)

      Pages: 4章 40-52

  • [Presentation] ビッグ・ハウス小説における病のナラティヴ2010

    • Author(s)
      中村哲子
    • Organizer
      身体医文化論研究会
    • Place of Presentation
      慶應義塾大学日吉キャンパス
    • Year and Date
      2010-03-26

URL: 

Published: 2011-06-16   Modified: 2016-04-21  

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