2010 Fiscal Year Annual Research Report
アジア系アメリカ「基地文学」の系譜--戦争・記憶・語り
Project/Area Number |
20520254
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小林 富久子 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (00063751)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河原崎 やす子 岐阜聖徳学園大学, 外国語学部, 教授 (80341808)
平石 妙子 共立女子大学, 国際文化学部, 教授 (80060705)
田村 亮 早稲田大学, 教育・総合科学術院, 助手 (20507983)
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Keywords | アジア系アメリカ文学 / 基地 / 戦争 / 記憶 / 語り / 韓国系アメリカ文学 / フィリピン系アメリカ文学 / ベトナム系アメリカ文学 |
Research Abstract |
まず上半期においては4人の共同研究者全員が、アジア系アメリカ文学研究会(AALA)主催で7月11日に早稲田大学にて開催されたミニ・シンポ「アジア系「基地文学」の系譜-戦争・記憶・語り」の準備に向けて多くの時間と精力を費やした。当日はパネリスト4人とフロアとの間で活発な議論が交わされ、このテーマへの関心の高さを窺わせた。プログラム上の各メンバーのタイトルを列挙すると、以下の通りとなる。 (1)田村亮「アジア系基地文学の背景-アジアにおける米軍基地の推移と現状」 (2)小林富久子「生き残り策としての変身、夢としての変身在韓米軍基地「アメリカタウンにおける母親と子供たち」 (3)平石妙子「日系文学における「基地」-ヴェリナ・ハズ・ヒューストンとジョン・シロタ」 (4)河原崎やす子「基地と女性-ポストコロニアル・フィリピンへの眼差し」 発表内容に関しては、田村がアジア各国における米軍基地の推移と現状を概観した後、小林がN・O・ケラー、H・I・フェンクル等の韓国系「基地文学」における母-子関係のテーマを考察、次いで、平石がV・H・ヒューストン、J・シロタ等の日系「基地文学」での戦争花嫁及びオキナワンのテーマを探究し、最後に河原崎がフィリピン系女性文学とフィリピンの米軍基地とのつながりを越境と混血の角度から分析した。下半期の研究活動としては、平石が8月に米国のUCLAに赴き、米国及び沖縄の基地文学に関する文献調査を行う一方、河原崎が1月にグアムに赴き、グアム系基地文学に関する資料を収集、そして、3月には小林がニューヨークに赴き、ベトナム系作家M・トゥルオングへのインタヴュー調査を行った。田村は日本に留まり、各研究者が収集したデータの整理や分析作業を行った。
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