2008 Fiscal Year Annual Research Report
第一次〜第二次世界大戦下、イギリスの大衆文学に見る女性の市民意識とキャリアの表象
Project/Area Number |
20520257
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Research Institution | Keiwa College |
Principal Investigator |
杉村 使乃 Keiwa College, 人文学部, 准教授 (20329337)
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Keywords | 英米文学 / 文学論 / 文学一般 / 社会学 / 女性 / キャリア / 市民 / 戦争 |
Research Abstract |
研究の目的:第一次世界大戦〜第二次世界大戦下のイギリスで出版された若い女性向け雑誌で連載された大衆文学を精読し、そこに表れる女性の表象、特に「市民意識」、「キャリア」に関する関心がどのように表れているかについて考察する。戦時中に重要な労働力となった女性たちの実態を踏まえ、働く女性たちがどのような「物語」を消費し、自分たちのあるべき姿を模索していったのか。そこでは「市民意識」、「キャリア」への関心はどのように表象されたのか。具体的な作品を発掘し、精読しながら、考察していく。 本年度の研究成果の具体的内容: 1一次資料の収集:第一次〜第二次世界大戦中の女性誌のバックナンバーはほとんど流通しておらず、主にブリティッシュ・ライブラリー、帝国戦争博物館(Imperial War Museum、共にイギリス、ロンドン)で閲覧した。短編、連載小説を中心に複写、あるいはコンピューターに入力した。閲覧雑誌は以下の通り。Woman's Own, Everywoman: The Practical Home Magazine, Girl's Own Paper, N.F.S. Fire Women's Magazine(Original Title: W.A.F.S. Magzine) Woman (Weekly), Woman: The National Weekly, Woman's Journal: A Magazine of Home Interests 2写真週刊誌『ピクチャー・ポスト』における「空襲表象」:この研究は同代表者の「第二次世界大戦下の英文学に見る女性の「労働」と「市民意識」の表象」(若手研究B、H18-19)の研究成果を踏まえている。これまでも資料として使用してきた写真週刊誌『ピクチャー・ポスト』を使い、裏面11の研究発表にある雑誌論文にまとめた。第二次世界大戦時の「空襲」表象を中心にと、「市民」や「女性」の表象について検討した。今後の「大衆文学」における「女性」表象の分析に活かしていく。
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