2008 Fiscal Year Annual Research Report
ロシア的主体の系譜:現代ロシア文化の自己表象とその文化史・思想史的相関
Project/Area Number |
20520276
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
野中 進 Saitama University, 教養学部, 准教授 (60301090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
貝澤 哉 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (30247267)
中村 唯史 山形大学, 人文学部, 准教授 (20250962)
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Keywords | ロシア / 文化研究 / ナショナリズム |
Research Abstract |
2008年度は公開型の研究会を三回開いた。「ロシア的主体の系譜」という全体テーマの共有、各研究分野の開拓に益するところが大であった。参加者を交えての議論も盛んであった。 ・第一回9月13日(土)午後2時半-6時半、於埼玉大学東京ステーションカレッジ、報告者及び報告題目:梅津紀雄「ロシア国歌史〜歴史的変遷とその表象するもの」;越野剛「ナロードと戦争:スサーニンの形象について」;野中進「研究プロジェクト「ロシア的主体の系譜現代ロシア文化の自己表象とその文化史・思想史的相関」について」 ・第二回12月27日(土)午後2時半-6時半、於東京大学(本郷)、報告者及び報告題目:渡辺圭「現代ロシアに生きる正教会の聖人:列聖制度と不朽体をめぐる奇蹟」;岩本和久氏「フロイトとロシア」;野中進「ロシア文化論はどのようにして可能か」 ・第三回3月14日(土)午後2時半-6時半、於東京大学(本郷)、報告者及び報告題目:中村唯史「ペテルブルグのトポロジーとロシア的主体:試論」;秋草俊一郎「21世紀のロシア系移民作家と「ロシア性」について」;野中進「クリトゥロローギア(文化学)について」これ以外には、野中(研究代表者)が十月にロシアのユーリエフ・ポーリスキーで開催された国際会議「マリギナリア2008:文化の周縁とテクストの境界」で報告を行ない、メディアとジェンダー、国民意識の関係について20世紀初頭のロシアの思想家・評論家ローザノフを題材に論じた。また、研究分担者の貝澤哉は単著『引き裂かれた祝祭』・(論創社)を出版した。この十年問、日本のロシア文学研究をリードしてきた著者による初の単著として各方面から注目されている。同じく研究分担者の中村唯史は、ロシア文学における他者表象の問題に関連して、コーカサス・モチーフについて論じてきたが、その研究成果を他分野や広く読者界に問う「特権的トポスのはじまり:コーカサス表象の原型と「他者の声」について4を発表した。
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Research Products
(6 results)