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2009 Fiscal Year Annual Research Report

仏16世紀文学に見る「パン(肉)とワイン(血)」の系譜学(聖体拝領から人肉食へ)

Research Project

Project/Area Number 20520300
Research InstitutionRikkyo University

Principal Investigator

平野 隆文  Rikkyo University, 文学部, 教授 (00286220)

Keywordsフランス文学 / ルネサンス / 宗教戦争 / カンニバリスム / 聖体拝領 / 暴力論 / 檄文事件 / フランス史
Research Abstract

2009年度は、まず「暴力の記録と聖体拝領」および「聖体拝領とカンニバリスム」というテーマを中心に据えて資料を収集し、かつその分析に着手した。具体的には、フランス国立図書館(以下、B.N.)が公開している電子媒体(Gallicaなど)を通して、レリーやベルフォレたちの手になるパンフレ(誹謗中傷文書)を集め、宗教戦争とカンニバリスムという観点から分析を加えた。カトリックのミサ(聖体拝領)を非難していたプロテスタントが、たとえ飢餓からとはいえ、人肉食を強いられたことに対して、「信仰による義」の「欠落」ないしは「不足」という根拠を対置していることが見て取れた。さらに、春休み(3月15日~23日)を利用した資料収集では、改めてクレスパンの大著『殉教録』を直に手にとって読み、興味深い箇所を写し取ることができた。また、今回の最大の収穫は、プロテスタントがカトリックを強烈に諷刺した、巨大な版画付きの文献であるPierre ESCRICH、Jean-Baptiste TRENTOの、LA 《MAPPE-MONDE NOUVELLE PAPISTIQUE》に関する情報を多く得た点にある(ただし、版画そのものはB.N.には所蔵されておらず、間接的な資料に頼った。版画の原典はポーランドとイギリスの図書館が所蔵)。悪魔の巨大な口(地獄)の中には、ミサを偶像崇拝し、その他様々な悪徳に「塗れた」当時のローマが痛烈な諷刺の対象となっており、極めて重要な発見であった。なお、当初の予定通り、暴力と聖体拝領を巡る分析に必要な、民族学、歴史学、文化人類学、神学、宗教学関連の文献も、予算の範囲内で極力多く収集した。さらに、マルグリット・ド・ナヴァールの『エプタメロン』に於ける暴力、近親相姦、強姦などの「エロ・グロ・ナンセンス」と神学的概念との関わりについて、30ページほどの論文に纏めることができた。

  • Research Products

    (1 results)

All 2010

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] ルネサンス文学に見る暴力の表象:暴力・福音・聖体・カンニバリスム(1)2010

    • Author(s)
      平野隆文
    • Journal Title

      立教大学フランス文学 39

      Pages: 39-68

URL: 

Published: 2011-06-16   Modified: 2016-04-21  

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