2008 Fiscal Year Annual Research Report
強制された旅-第二次大戦中のアジアへの亡命-についての文化人類学的観点からの研究
Project/Area Number |
20520302
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
PEKAR Thomas Gakushuin University, 文学部, 教授 (70337905)
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Keywords | 亡命 / ユダヤ人 / 国家社会主義 / 文化接触 / ハイブリッド性 |
Research Abstract |
7月から9月にかけて、ワシントンのUnited States Holocaust Memorial Museum (USHMM)の文書館において資料を収集し、特に1940年から1941年に日本へ亡命した5000人あまりのユダヤ人について、また、その援助をした神戸ユダヤ人協会に関する調査を行った。さらに、神戸ユダヤ人協会に関する資料が保管されているニューヨークのAmerican Jewish Joint Distribution Committee (JDC)においても資料を収集し、協会の関係者ともコンタクトを取り、今後の研究のための調査と共同研究のための打ち合わせを行った。 10月には日本独文学会の秋季研究発表会において、これまでの研究の成果を発表し、研究会発足の案内を行った。11月から研究会を発足し、平成20年度に2度の研究会を行った。学習院大学の大学院生に加え、近隣の他大学の若手研究者、教授が参加した。研究会のためにHPを作成し、今後も研究会の案内、研究会の成果を報告していく。研究会では亡命研究に関する文献をもとに、第二次世界大戦中の日本、上海など東アジアへの亡命をめぐる問題、異文化記述について意見を交わし、2010年9月に学習院大学にて開催予定のシンポジウムの準備を進める。なお、ドイツ、アメリカからシンポジウムに招聘予定の研究者との打ち合わせも進行した。さらに、アジア歴史資料センター(JACAR)保管の公開資料“ユダヤ人問題外交文書"の調査研究を開始し、海外からはその存在を知られていなかった本文献について、共同研究の働きかけをUSHMM側に行なっていく重要性を発見した。 3月には、ハンブルグで開催された亡命学会において、文化接触やハイブリッド性に焦点を当て、日本への亡命者の日本受容について研究発表を行った。また、ハンブルグにおいても、シンポジウムへの参加の募集を行った。
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Research Products
(5 results)