2008 Fiscal Year Annual Research Report
現代ヨーロッパ文学における数学と形而上学の学際的研究
Project/Area Number |
20520311
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Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
森 尚也 Kobe Women's University, 文学部, 教授 (80166363)
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Keywords | 国際情報交換 / 英国レディング国際ベケット・ファンデーション / 米国テキサスハリー・ランサム人文学研究センター / サミュエル・ベケット / ライプニッツ / 文学 / 形而上学 / 数学 |
Research Abstract |
1.ベケットの草稿研究:出版された決定稿にはない、著者の隠された意図・情報(引用の出典、図、計算、表、イラスト等)が詰まっている手書きのノートや校正原稿などを通じて、ベケット文学における数学や形而上学の影響関係、とりわけライプニッツの影響関係を明らかにするのが目的である。その目的のために、貴重なベケット草稿を所蔵している下記の3つの研究所の資料を3年間かけて調査する。 (1)米国テキサス大ハリー・ランサム人文研究センターからベケット草稿の複写(『ワット』ノートブック1-3)を2008年12月に入手し、すでに研究に着手している。引き続き、可能な限り複写を入手する予定。 (2)英国レディング大学の国際ベケット・ファンデーションにおいて2008年7月末から3週間滞在し、若きベケットのノート「ドイツ日記」(1-6)を中心に研究を開始。しかし、手書きのノートの解読にはさらに多くの時間を必要とすることが判明し、再訪計画を立てている。 (3)アイルランドのトリニティ・カレッジ・ダブリンが所蔵する草稿についても、今後調査する計画である。 2.英国レディング大学における学会発表:国際ベケット・ファンデーション創設40周年を記念する展示会・学会(2009年9月27/28日)において、ベケットとライプニッツの関係について発表の要請があり、それに向けて準備中である。ベケット文学に表象された「動物」「動物性」が学会の主題ではあるが、近代ヨーロッパにおける機械論と生命論の問題からベケット文学における「動物性」をひもとくことにより、本研究の課題である「数学」「形而上学」の問題にひきよせたいと思っている。
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Research Products
(1 results)